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■ 職業病対策

建設労働と職業病−あなたの働く職場の環境

職業病は労働災害です

 職業病とは、仕事が原因でかかる病気をいいます。
 原因が仕事であるため、労災保険が適用されます。
 国保組合では、職業病のなかでも特に呼吸器疾患について、建設業の全職種にわたる問題として、労災申請などにとりくんでいます。

「じん肺」とは

 「じん肺」とは、“粉じんによる肺の疾患”のことです。
 人間の身体には、異常な物質が体内に入りこむのを防いだり、排出したりする機能が備わっています。しかし、建設現場で日常的に行われている、建材の研磨や切断作業、過去に行われていた石綿の吹き付け作業などによる微細な粉じんには、身体の機能が追いつかず、粉じんは肺に蓄積されていきます。
 肺組織の異常はすぐおこるわけではありません。15 〜 20年かけて進行し、肺機能を衰えさせ、セキやタン、息切れ、呼吸困難などの症状が出てきます。症状が進行すると、仕事中の作業はもとより、階段の昇り降りもままならず、酸素ボンベが手放せない状態になるなど、日常生活にも支障をきたすようになります。

 肺の機能がもとにもどることはありませんし、衰えることで体内に酸素が取り入れられなくなるため、その他のさまざまな器官に影響を与えることになります。
 また、「じん肺」は粉じんの種類によってさらに細かく分類され、石工などにおこる遊離珪酸が原因物質の「けい肺」、アスベスト(石綿)が原因物質の「アスベスト肺(石綿肺)」、その他「セメント肺」「炭素肺」などがあります。

アスベストによる疾病とは

 2012(平成24)年3月29日に労災保険にかかる認定基準が改正されました。アスベストとの関連が明らかな疾病として、次の5つの病気があります。
《(1)石綿肺 (2)肺がん (3)中皮腫 (4)良性石綿胸水 (5)びまん性胸膜肥厚》
 肺がんは、タバコの吸いすぎによるものと診断されることが多く、労災保険の手続がされず、一般の病気とされてしまうことがあります。直接アスベストを扱っていない労働者でも、周辺作業で間接的なばく露を受けて病気になっていることもあり、多くの建設労働者が職種を問わず被害者になっています。
 アスベストによる疾病は長い潜伏期間を経て突然発症します。早期発見のためには、定期的な検診を受けることが大切です。

アスベスト(石綿)を含む建築材料

 アスベスト(石綿)は、耐火性、耐久性に優れているため、さまざまな製品に利用されてきました。日本のアスベスト輸入量は、1945(昭和20)年ごろから増加し続け、1970年代にピークとなりました。その後、特に発がん性の高い種類のアスベスト(クロシドライト、アモサイト)が輸入禁止となったことを受けて、アスベスト(クリソタイル)の輸入量は減少し、2004(平成16)年10月にようやく原則禁止となりましたが、すでに輸入されたアスベストは、ほとんどが建築材料に使用されています。

国保組合でのとりくみ

 国保組合では、労働組合の労働対策部や職業病の専門医と連携して、次のとりくみをすすめています。

入院分の診療報酬明細書(レセプト)調査
 毎月、国保組合に届く入院分のレセプトから、職業性と考えられる呼吸器の病気と関連している病名が記載されているレセプトを抽出し、専門医に職業病の可能性について判定をお願いしています。
 その結果、病気が職業性の可能性が高いと判定された組合員には、国保組合から「専門医への受診のおすすめ」を送付しています。通知を送付した後、国保組合の保健師が電話で職業病の説明や現在の状況の聞き取りなどを行っています。
 また、労働組合からも支部を通じて受診の呼びかけを行っています。

職業病で労災保険適用の可能性がある病名
肺がん、(悪性)中皮腫、胸膜肥厚斑、(肺)結核、肺気腫、じん肺、間質性肺炎、慢性気管支炎、胸膜炎、胸水貯留、肺線維症、アスベスト肺、けい肺、気管支拡張症、ぜん息性気管支炎、気管支ぜん息、びまん性胸膜肥厚、慢性閉塞性肺疾患、びまん性汎細気管支炎、非定型抗酸菌症

お知らせが届いたら早めに受診を
 受診が必要とのお知らせを受けたら、早めに専門医へ受診しましょう。専門医に診てもらうことで、アスベストなどを吸ったためにおきる症状や病気が的確に判断でき、労災申請に結びつけることができます。労災認定を受けると、医療費が補償されるだけでなく、休業補償や年金などを受け取れることがあります。また、国保組合で支払った医療費が労災保険から戻ってきます。
 これまでに、「肺がん」、「じん肺」、「石綿肺」などの職業病による労災認定を受け、医療費や休業補償を受けた仲間が大勢います。2002(平成14)年から2015(平成27)年までの間に戻ってきた医療費は約17億円という大きな財政効果になっています。

専門医によるじん肺検診

 国保組合は、じん肺の専門医がいる下記の3カ所の医療機関と「専門医によるじん肺検診」の契約を結んでいます。
 「専門医によるじん肺検診」は医療機関の窓口で2千円を負担すれば受診できる制度です。
 受診を希望される方は、下記の医療機関に直接お申し込みください。
 なお、受診の際には必ず保険証を持参してください。

じん肺検診の内容

● 身長測定
● 内科診察
● 呼吸機能検査(肺活量などを測定します)
● 胸部レントゲン検査

医療機関名 電話番号 所在地
しばぞの診療所 03−5425ー2530 東京都港区芝公園1-3-10
ハリファックス芝ビル2F
芝健診センター 03−3431−7491 東京都港区新橋6-19-21
立川相互ふれあいクリニック
健康管理センター
042−524−7365 東京都立川市錦町1-23-4
ご不明な点は、各医療機関または、国保組合の健康増進課(03-5348-2982)にお問い合わせください。

アスベスト疾患通院支援金

 石綿肺患者の肺がんの早期発見・早期治療、速やかな労災申請、受信者の費用負担軽減を目的に、職業病専門医療機関である、しばぞの診療所、芝診療所、柳原病院で、石綿肺で経過観察中の患者に、医師が特段の必要があり、精密検査(CT検査等)のために呼び出しを行い、それに応じた場合は、通院支援金として、1回につき3,000円を支払います。

胸部レントゲンの再読影を行っています

 支部集団健診等で胸部レントゲン検査を受けた40歳以上の方を対象に、職業病の専門医が「再読影」を行っています。
 再読影とは健診機関の医師が診断をした後、見落とされやすいじん肺や胸膜肥厚斑(アスベストを吸い込むことで肺を覆う胸膜が部分的に厚くなる症状)などを職業病の観点から再度読影するものです。
 2012年度の再読影では、国保組合に加入する40歳から74歳の男性組合員の13.5%に胸膜肥厚斑が見つかっています。

熱中症も職業病(労働災害)です
 屋外の現場で働く建設労働者にとっては、夏場の熱中症も気をつけたい労働災害の一つです。
 熱中症は、なってからの対処ではなく、なる前の予防対策が重要です。しかし、建設労働者の多くは、一般に予防法として紹介される冷房の活用や日差しを避けることがしづらい環境で働いています。
 東京土建国保では、毎年6月から9月にかけて、500件以上の受診があります。
 熱中症の症状は、めまいや立ちくらみなどの軽度のものから、重くなるとひきつけや意識を失うこともあります。最悪の場合、死に至ることもあり、決して甘く見てはいけません。
 夏の現場では、こまめな水分補給を心がけ、十分な睡眠と休養で疲労に負けない体づくりをしましょう。
 仕事中の熱中症の治療には労災保険が適用されますので、受診の際はご注意ください。

職業病について相談したいとき

 お話を伺い、専門医の紹介や労災申請のアドバイスを行っています。
 くわしくは下記にご連絡ください。

●所属の支部の労災保険実務担当書記・・・支部一覧はコチラ
●東京土建一般労働組合 労働対策部…03−5332−3971
●東京土建国保組合 健康増進課………………03−5348−2982

 
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