職業病は労働災害です
職業病(仕事が原因でかかる病気)には労災保険が適用されます。
国保組合では、建設業の全職種に関わる問題として、特に「粉じんが原因の肺の病気」の労災申請などに取り組んでいます。
粉じんが原因の肺の病気について
(1)「じん肺」とは
粉じんが原因の肺の病気を「じん肺」といいます。
建材の研磨や切断作業、過去のアスベスト(石綿)の吹き付け作業などで吸いこんだ微細な粉じんは、10年以上の年月をかけて肺の機能に影響をあたえます。せきや痰、息切れなどの症状から始まり、進行すると酸素ボンベが手放せなくなるなど、日常生活が大変になります。
なお、「じん肺」は粉じんの種類によって分類され、遊離珪酸による「珪肺」、アスベストによる「石綿肺(アスベスト肺)」、その他「セメント肺」「炭素肺」などがあります。
(2)アスベスト(石綿)による病気
アスベストとの関連が明らかな病気として、①石綿肺(アスベスト肺)、②肺がん、③中皮腫、④良性石綿胸水、⑤びまん性胸膜肥厚があります。
アスベストを直接取り扱っていなくても周りのアスベストの作業が原因で間接的に病気になることもあり、職種を問わず、多くの建設労働者が被害になっています。
アスベストが原因の病気は、長い潜伏期間を経て突然発症します。早期発見のためには、定期的な検診が大切です。喫煙者は、肺がん発症リスクがとても高くなるとされているので禁煙にも取り組みましょう。
(3)建設アスベスト訴訟最高裁判決
最高裁は2021年5月17日に国と建材メーカーの責任を認める判決を下しました。国の違法を認め、屋内現場の建設作業従事者を救済した他、建材メーカーの共同不法行為を認めて市場シェアの高い企業などが共同して被害者に賠償するよう命じました。
6月9日にはアスベスト被害者への迅速な賠償を図るため「国の建設アスベスト賠償給付金制度」が成立しました。全国の仲間の力で勝ち取った歴史的成果です。
国保組合での取り組み
国保組合では、労働組合の労働対策部や職業病の専門医と連携して、次の取り組みを進めています。
(1)胸部レントゲンの再読影
東京土建健診(支部集団健診や契約健診機関での受診)で胸部レントゲン検査を受けた40歳以上の方を対象に、職業病の専門医が「再読影」を行っています。再読影とは健診機関の医師が診断した後、見落とされやすいじん肺や胸膜肥厚班(アスベストを吸いこむことで肺を覆う胸膜が部分的に厚くなる症状)などを、職業病の観点から改めて確認する事業です。職業病の可能性があると判定された場合、国保組合からピンク色の封筒で「受診勧奨通知(下図①)」を通知し、速やかな労災申請につなげています。
(2)入院分の診療報酬明細書(レセプト)調査
毎月、国保組合に届く入院分のレセプトから、職業性と考えられる呼吸器の病気と関連している病名が記載されているレセプトを抽出し、職業病の可能性について専門医が判定する事業です。職業病の可能性があると判定された場合、「受診勧奨通知(下図②)」を送付しています。通知を送付した後、国保組合の保健師が電話で職業病の説明や、現在の状況の聞き取りなどを行っています。
★お知らせが届いたら早めに受診を
専門医に診てもらうことで、アスベストなどを吸ったためにおきる症状や病気が的確に判断でき、労災申請に結びつけることができます。
労災認定を受けると、医療費が補償されるだけでなく、休業補償や給付金、年金などを受け取れることがあります。また、国保組合で支払った医療費が労災保険から戻ってきます。2024年度までに1,147人の仲間が「石綿関連肺がん」、「じん肺」、「石綿肺(アスベスト肺)」などの職業病による労災認定を受け、医療費や休業補償を受けており、2002年から2023年までの間に国保組合へ戻ってきた医療費は約25億円にものぼっています。
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| ①[再読影案内通知] | ②[入院分レセプト案内通知] |
(3)専門医によるじん肺検診
国保組合は、じん肺の専門医がいる下記の4カ所の医療機関と、「専門医によるじん肺検診」の契約を結んでいます。
「専門医によるじん肺検診」は医療機関の窓口で2,000円を負担すれば受診できる制度です。
受診を希望される方は、下記の医療機関に直接お申し込みください。
なお、受診の際には必ず資格確認書またはマイナ保険証・資格情報のお知らせを持参してください。
じん肺検診の内容
- 医師の診察
- 胸部レントゲン検査
- 医師が必要と判断した場合
合併症の検査
肺機能検査 など
医療機関名 電話番号 所在地
芝健診センター
03-3431-7491 東京都港区新橋5-26-5
立川相互ふれあいクリニック健康管理センター
042-524-7365 東京都立川市錦町1-23-4
御成門内科クリニック
03-5425ー2530 東京都港区芝公園1-3-10 ハリファックス芝ビル2F
田園調布呼吸器・内科クリニック
03-6662-6711 東京都大田区田園調布1-1-17 ステラート田園調布1F
ご不明な点は、各医療機関または国保組合の健康増進課(03-5348-2982)にお問い合わせください。
(4)アスベスト疾患通院支援金
石綿肺患者の肺がんの早期発見・早期治療、速やかな労災申請、受診者の費用負担軽減を目的に、職業病専門医療機関である、芝診療所、柳原病院、御成門内科クリニック、立川相互ふれあいクリニックで、石綿肺で経過観察中の患者に、医師が特段の必要があると判断して、精密検査(CT検査等)のために呼び出しを行い、それに応じた場合は、通院支援金として、1回につき3,000円を支払います。
仕事中の熱中症も職業病(労働災害)です
建設労働者にとって、夏場に気をつけたい労働災害が熱中症です。熱中症の症状は、めまいや立ちくらみなどの軽度なものから、ひきつけや意識を失うなどの重度なものがあります。死に至ることもあり、決して甘く見てはいけません。
熱中症には予防対策が重要です。夏の現場ではこまめな水分補給を心がけ、空調服を利用しましょう。また、十分な睡眠と休養で、熱中症にかかりにくい体づくりをしましょう。
なお、仕事中になった熱中症の治療には労災保険が適用されますので、受診の際はご注意ください。
職業病について相談したいとき
お話を伺い、専門医の紹介や労災申請のアドバイスを行っています。
くわしくは下記にご連絡ください。
●所属の支部の労災保険実務担当書記…支部一覧はコチラ
●東京土建一般労働組合 労働対策部…03-5332-3971
●東京土建国保組合 健康増進課………03-5348-2982








