高額療養費

医療機関などの窓口で支払った1ヵ月ごとの一部負担金の合計が一定額(自己負担限度額)を超え高額になったとき、申請により、自己負担限度額を超えた額が支給されます。なお、高額療養費に該当すると思われる方には、国保組合から高額療養費支給申請書が送付されます。

2022年11月から、高額療養費の申請を国保加入後一度でも申請していれば、二度目以降の申請が手続き不要となり、組合員の届出口座に自動振込します。
二度目以降の申請であっても、組合員が死亡したとき、ゆうちょ銀行口座の届出がないとき、所得がわからないとき、「負傷原因のおたずね」を未提出のとき等、申請書を送付する場合があります。

自己負担限度額


〔   〕は多数回に該当したときの自己負担限度額です。同一世帯で12カ月の間に4回以上高額療養費が支給された場合、4回目以降が多数回に該当します。
「1%」とは高額療養費の算定対象になった医療費の1%をいいます。
70歳から74歳の方はすべての医療機関分、69歳までの方は月額21,000円以上負担した医療機関分がそれぞれ算定対象になります。
月の途中で75歳になり、後期高齢者医療制度へ移行する場合、移行した月の自己負担限度額は上記金額の2分の1になります。
旧ただし書所得は、国民健康保険税の所得割額を算定する際に用いられる課税方式のーつです。前年の所得について算定した総所得金額および山林所得金額ならびに株式等に係わる譲渡所得金額など分離課税分の合計金額から基礎控除(下表)のみを行い、その他の控除(人的控除等)は行いません。

【基礎控除の額】

合計所得金額 2020年度課税分以前 2021年度課税分以降
2400 万円以下 一律33万円 43万円
2400 万円超2450 万円以下 29万円
2450 万円超2500 万円以下 15万円
2500 万円超 0円
低所得者Ⅱ、低所得者Ⅰは、こちらを参照してください。

申請に必要な書類

所得情報は、国保組合でマイナンバー制度の情報連携により取得しますが、情報連携により取得できないときは、所得を証明する書類(住民税課税証明書、住民税納税通知書のいずれかひとつのコピー)の提出が必要です。

高額療養費限度額適用の認定

入院・通院で高額な医療費がかかる場合に窓口負担を軽減する制度です。医療機関がオンライン資格確認で高額療養費の所得区分を確認できる場合は、窓口での支払いが自己負担限度額までになります。
その場合、以降に記載する「限度額適用認定証」等の申請および交付は不要です。

オンライン資格確認ができない場合は、支部に申請のうえ、国保組合が交付する「限度額適用認定証」(住民税非課税世帯の方は「限度額適用・標準負担減額認定証」)を医療機関の窓口に提示すると支払いが自己負担限度額までになります。(申請書は支部にあります)
70歳以上の方は「高齢受給者証」の提示で自己負担限度額までの支払いとなりますが、住民税非課税世帯の方と課税所得が690万円未満の方は、「限度額適用認定証」等を提示すると自己負担限度額が下がります。
対象となるのは保険医療機関、保険薬局などで受けた保険診療です。
柔道整復師、はり・きゅう、あんま、マッサージの施術は対象となりません。
所得情報は、国保組合で情報連携により取得しますが、情報連携により取得できないときは、所得を証明する書類(住民税課税証明書、住民税納税通知書のいずれかひとつのコピー)の提出が必要です。なお、世帯内に所得未申告や不明者がいる場合、69歳までの方は「ア」、70歳から74歳の方は「一般」の区分になります。

限度額適用認定証交付に必要な書類

即日交付はできませんので、ご注意ください。

限度額適用・標準負担額減額の認定

住民税非課税で低所得に該当する世帯の方は、国保組合が交付する保険証と「限度額適用・標準負担額減額認定証」を医療機関の窓口に提示することで、窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。あわせて入院時の食事または生活療養にかかる標準負担額が減額されます。

限度額適用・標準負担額減額認定証交付に必要な書類

共 通
入院が90日を超えるとき
  • 入院期間を証明する書類(領収書のコピーなど)
    ※入院日数届書に必要事項を記入してください。

※即日交付はできませんので、ご注意ください。

高額長期特定疾病の認定

疾病によっては、高額な治療を長期間にわたって続けなければならない場合があり、医療費の自己負担が非常に高額になります。このような疾病にかかった被保険者の負担軽減をはかるため、医療機関や薬局の窓口では1万円または2万円を限度として負担すればよいこととしたのが、高額長期疾病(特定疾病)に係る高額療養費の特例の扱いです。認定日は、申請のあった月の1日になります。
この特例の適用を受けるには、組合員からの申請により国保組合が交付する「特定疾病療養受療証」を医療機関に提示する必要があります。ただし、医療機関がオンライン資格確認で所得区分を確認できる場合は、マイナンバーカードを提示すれば証の提示は必要ありません。

●長期特定疾病認定の対象疾病

  • 人工腎臓を実施している慢性腎不全
  • 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害または第Ⅸ因子障害(血友病)
  • 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群

自己負担分は自治体の医療費助成の対象となる場合があります。
詳しくは、お住まいの市区町村へお問い合わせください。

疾病名 69歳まで 70歳以上
慢性腎不全 区分ア・イ 20,000円 10,000円
区分ウ・エ・オ 10,000円
先天性血液凝固第Ⅷ、
第Ⅸ因子障害
10,000円
後天性免疫不全症候群

※区分は高額療養費の項を参照してください。

●長期特定疾病認定に必要な書類

共 通
  • 国民健康保険特定疾病療養受療証交付申請書
70歳未満の慢性腎不全の方
    ※ 所得情報は、国保組合で情報連携により取得しますが、情報連携により取得できないときは、所得を証明する書類(住民税課税証明書、住民税納税通知書のいずれかひとつのコピー)の提出が必要です。

【注意】 長期特定疾病認定は加入している医療保険が変更になった場合は、そのたびに申請が必要です。そのため東京土建国保へ加入した方は改めて申請が必要です。また、東京土建国保をやめた場合も改めて加入先の手続きが必要です。

高額介護合算療養費

医療機関などの窓口で支払った一部負担金と介護保険のサービスを受けたときに支払った一部負担金の1年間(計算期間は8月から翌年7月)の合計金額が高額になったとき、申請により、自己負担限度額を超えた額が支給されます。
支給金額は医療保険と介護保険のそれぞれの一部負担金の額に応じて、国保組合と介護保険者それぞれから支給されます。

自己負担限度額

70~74歳の方[注2] 70歳未満[注2]
適用区分 年間の上限額
現役並み 課税所得690万円以上 212万円 旧ただし書所得
901万円超
課税所得380万円以上 141万円 旧ただし書所得
600万円超901万円以下
課税所得145万円以上 67万円 旧ただし書所得
210万円超600万円以下
一般 課税所得145万円未満[注1] 56万円 旧ただし書所得
210万円以下
低所得者 市町村民税非課税世帯 31万円 住民税非課税
市町村民税非課税世帯
(所得が一定以下)
19万円[注3]
※〔注1〕 収入合計が520万円未満(単身世帯の場合は383万円未満)の場合及び旧ただし書所得の合計額が210万円以下の場合も含む。
 〔注2〕 70~74歳と70歳未満が混在する場合、まず70~74歳の自己負担合算額に限度額を適用した後、残る負担額と70歳未満の自己負担合算額を合わせた額に限度額を適用する。
 〔注3〕 介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円。

申請に必要な書類

所得情報は、国保組合で情報連携により取得しますが、情報連携により取得できないときは、所得を証明する書類(住民税課税証明書、住民税納税通知書のいずれかひとつのコピー)の提出が必要です。

(1)基準日保険者へ支給申請

基準日保険者(計算期間の最終日となる7月31日時点で加入していた医療保険者)へ高額介護合算療養費の支給申請をします。
基準日保険者がマイナンバーを利用した情報連携により、介護保険者及び計算期間中に加入していた他の医療保険者の負担額情報をそれぞれ取得するため、他保険者へ自己負担額証明書の交付申請をする必要はありません。

(2)支給決定

「基準日保険者」が支給(不支給)の決定と保険者ごとの支給額を負担額に応じて按分計算します。支払いは、それぞれの保険者から別々に行われます。