国保組合だより2014号(2011年12月1日号)

2011年4~8月分の医療費の動向

緩やかながら伸び続ける医療費
疾病予防対策で年度後半の抑制を

 医療費は年々伸びています。2011年度は被保険者の構成に一部変化がありましたが、一人当たりの医療費は減少しませんでした。11年度の医療費の動向と国保組合でのとりくみをまとめましたので報告します。11年度は夏の熱中症対策に効果がみられました。国保組合の健全運営のために、冬の感染症対策にも、引き続き組合員・家族のみなさんのご理解とご協力をお願いします。

調剤医療費の伸びが顕著
 11年度は、診療報酬改定のない年に当たりますので、これをふまえて、11年度の医療費を10年度の同じ時期と比較し、特徴点をご報告します。
 まず、診療区分別では調剤が5.89%、年齢階層別にみると65~70歳未満が5.14%と伸びています。
 これは、震災の影響により、くすり不足が懸念されたことから長期間の処方が多くなったこと、インフルエンザの流行が5月まで続いたことなどが一因とみられます。
 猛暑の中での節電対策により懸念された熱中症等の影響は、6月は前年より5.6倍多い89件(入院6件、外来83件)だったものの、7月は0.76倍(168件:入院10件、外来158件)、8月は0.48倍(207件:入院10件、外来197件)という状況で、みなさんが対策にとりくまれた効果が反映したものと考えています。

65歳~70歳未満の医療費が増加
 次に、一人当たり医療費の対前年同期の比較では、全体で1.45%増加と、自然増3%を見込んだ予算内におさまる伸びで、比較的安定しています(図1)。内訳をみると、70歳以上の方の医療費が0.05%増、65~70歳未満の方が5.14%増、7~65歳未満の方は1.01%増、未就学児は4.22%増となっています。65歳~70歳未満と未就学児で伸びが目立ちます。
 診療の内訳をみると、調剤医療費と65~70歳未満医療費の伸びが顕著で、調剤の一人当たり医療費は、未就学児を除いて5%以上の伸びとなり、入院の一人当たり医療費での65~70歳未満の方は8.28%伸びています。

図1 一人当たり医療費 年度比較表(4月~8月分)

年度後半の医療費に懸念
 また、10年度に実施した『就業実態調査』では、仕事に従事する機会が少なくなったなどの理由で、高齢の方々が残念ながら国保組合を去る結果となってしまいました。
 この影響を国保組合で分析したところ、脱退された方が比較的受診が多い高齢者層だったことから、一人当たりの医療費を1%程度抑えることがわかりました。このことを含めて考えてみると、今年度の医療費は今以上に伸びていたと想定されます。あわせて、8月の医療費の伸びが顕著で(図2)、最終的な医療費の伸びが懸念されます。
 これからは、季節性インフルエンザや風邪の流行する時期です。感染は学校などの集団生活がもととなることが多いため、お子さんのいるご家庭では特に、うがい・手あらい・部屋の換気などを習慣にし、家族全員が予防接種を受け、この冬を元気に乗り切りましょう。

図2 一人当たり医療費 月別比較表

国保組合はみんなの財産
 国保組合の医療費を支払うための収入は、みなさんに納めていただく保険料とみなさんの運動で獲得した国や都の補助金です。
 この共有の財産を守るためにはみなさんの協力が必要です。国保組合では、医療機関からの請求内容の点検や、労災などの紛れ込みを防ぐなど、無駄な支出をおさえるよう努めています。
 みなさんも、年度1回の健診を受診して、健康管理に努めましょう。そして、医療機関で受診する時も、同じ病気で複数の医療機関にかかったり、緊急以外で夜間・休日に受診したりすることは避けましょう。夜6時以降の受診には医療費が500円上乗せされています。できるだけ6時前に受診しましょう。
 また、薬を処方された場合は「ジェネリック医薬品」を選ぶことで、薬代を抑えられることがあります。生活習慣病などの治療で長期服用をされる方は、かかりつけ医に相談されてみてはいかがでしょうか。
 健康に過ごすことを心がけ、いざというときのための備えとして、みなさんの保険料を大切に使い、一人一人の力で国保組合を守りましょう。

医療費通知を見てみましょう
 国保組合では『医療費のお知らせ』を年に2回、組合員宛に郵送しています。
 また、柔道整復師にかかった際の医療費通知も年に2回同時期にお送りしています。
 この通知は、みなさんに窓口でご負担いただいた分を含む医療費全体(10割)をお知らせすることで、受診状況の確認や同じ病気で複数の病院へかかっていないか(「はしご受診」「重複受診」)などのチェックに役立てていただくためのものです。
 次回は来年2月頃に通知をお送りする予定です。お手元に届いたら、内容をぜひご確認ください。
 医療費節減のため、予防や適正な受診の心がけにご協力をお願いいたします。

続いています!手洗い・うがいときどきマスク大作戦!

健康診査の受診券、まだ保険証についていませんか?

健診契約機関の追加

2012年国保カレンダーを配布します

就業実態が変わったときには届け出を

インフルエンザ予防接種と高血圧健康教室を同時に開催
西多摩支部 福生第4分会のとりくみ

分会主催の健康イベント
 地域の診療所との連携を強化

 10月21日(金)、西多摩支部福生第4分会主催のインフルエンザ集団予防接種と高血圧をテーマにした健康教室が、分会センターで開催されました。当日の様子と参加者の声をお届けします。

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健康チェックの結果を書き込んだテキストを見る参加者

 福生第4分会では、分会主催のインフルエンザ集団予防接種をしています。
 仲間の健康を守るとりくみを通じて、地域の診療所との連携を深めたいと考えた分会役員が、健康教室の講師派遣を毎年お願いしている羽村相互診療所に相談しました。その結果、近隣の住民の健康を守る活動をしている同診療所の意向と一致し、昨年から、分会での集団予防接種が開始されました。
 当日は、ぽつぽつと雨の降り始める中、18時30分から19時30分までの1時間で27人が予防接種を受けました。
 医師や看護師など6人のスタッフが準備を整えた会場へ、問診票の記入を終えた受診者が順番に並びました。そして医師の診察を受けて体調に問題がないことを確認してから予防接種を受けました。
 予防接種の会場には、血流計や骨密度計、体組成計も設置され、注射を終えた受診者は各自が希望する健康チェックを受けて結果票を受け取っていました。
 互いの結果を見比べて「よくタマネギを食べているから血管年齢が若いのかも」、「筋肉があるから体年齢が若いんだね」などと話し合う姿も見られました。

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順番に予防接種を受ける皆さん

健康チェックの結果を活用
 予防接種のあとは健康教室

 19時30分からは、管理栄養士をしている竹内亜希子さんを講師として、高血圧についての健康教室が開催され、26人の参加者が食事などの注意点について学びました。
 予防接種後の健康チェックで測った体組成計の結果をもとに自分の基礎代謝量を確認した上で、食事での栄養の摂り方や、主菜と副菜のバランスなどが講師持参の自作ポスターを資料に説明されました。また、飲料や食品に含まれる塩分や糖分、カロリーなど、実例を交えての説明では、普段食べているものの塩分の多さに驚く声が参加者から上がっていました。
 次に、食べてしまったカロリーを消費するために手軽にできる運動として、体を洗う動作に運動を取り入れたお風呂ゴシゴシ体操が紹介されました。参加者はタオルを手に体操を実践しました。
 最後の質問コーナーでは参加者のほとんど全員から食事や食材、運動、薬など、様々な質問がありました。
 各自の体験談が飛び出すなど、笑い声にあふれた楽しい健康教室でした。

今年の冬も元気に過ごすために
 分会センターで予防接種

 【西多摩支部・大工・藤原俊男さん】
 一昨年の新型インフルエンザの流行をきっかけに予防接種に興味を持ちました。ちょうど去年から分会センターでインフルエンザの注射が始まったので、利用しています。簡単な健康チェックもありますし、分会で医者を呼んで予防接種会を開催するのは、診療所とのつながりを深める良いとりくみだと思います。
 普段から早寝早起きを習慣にしているのに加えて、帰宅したらすぐに風呂に入っているのが、うがいや手あらいの代わりになっているのかもしれません。そのおかげか、うちの家族はここ数年風邪をひいていません。
 予防接種を受けたらインフルエンザにかかっても治りやすかったという話を仲間から聞いていますので、また来年も利用したいと思います。

学んだことを生かして
 ひきつづき減量チャレンジ

 【西多摩支部・造園・小林正樹さん】
 福生第4分会では毎年秋に健康教室をやっていて、参加するのは3回目くらいです。
 5月に支部の集団健診を受けたのですが、体重が標準より多かったので、食生活に気を使い始めました。ご飯の量を減らしたり、間食をやめたりして、現在までに10キログラムくらい減量できています。
 今日の健康教室では、食事に関することが多かったので勉強になりました。自分で気を付けているつもりでも、まだまだ工夫できることがあると思いました。来年の健診までに、もう6キログラムぐらい痩せたいと思っているので、今日教えてもらったことを取り入れて引き続き頑張ります。

今日から取り入れよう!医療費節約の知恵

結核・精神医療給付金が廃止になります

がんでお悩みの方へ

検査から分かる健康・病気シリーズ

ウォーキングしませんか?

一番星

 「社会保障と税の一体改革」は医療の定額負担(1回100円)導入や、介護利用料2割への倍加、年金の支給開始年齢68歳への引上げ等々、社会保障改悪のオンパレードだ。消費税10%を我慢すれば社会保障が良くなると考えていた人も少なくない。しかし社会保障費の削減は、年金だけでも年間6千億円、小泉構造改革の2千2百億円削減を大きく上回る。大増税と社会保障改悪による国民生活破壊と消費不況の深刻化は必至だ。野田内閣は、震災被災者を含めた国民の声を少しでも聞く気があるのだろうか。「格差と貧困」を拡大した小泉改革の愚を繰り返させてはならない。(い)